このプロジェクトの最大の特徴は、その多機能性です。主に図書館として機能する一方で、セミナーや子供向けのワークショップ、教師の研修、インタラクティブな授業、ストーリータイムなど、さまざまな活動が行われる場として設計されています。そのため、多機能照明設定や、異なるフロアレベル、洞窟のようなアーチを用いて、各ゾーンを区切る工夫がなされています。
また、このプロジェクトでは、子供たちが自分たちのアイデアを提供し、そのプロセスを監視することができるという、参加型の要素も取り入れられています。これにより、子供たちが自分たちのアイデアが実現する過程を見守ることができ、その興奮と喜びを共有することができます。
このプロジェクトは、香港の既存の幼稚園のスタッフオフィスエリアを改装して、約300平方メートルのスペースにオフィスと子供向け図書館を設けるというものでした。そのため、既存の構造と法的な制約に合わせて、アーチの通路のスケールを調整するなどの課題に直面しました。
さらに、この図書館はキリスト教の背景を持つ幼稚園の一部であるため、キリスト教の物語やSTEM教育、子供向けの童話などを組み合わせたリサーチが行われ、全ての装置や材料は安全性を最優先に考慮されました。
この「Thinker」プロジェクトは、2023年にA'インテリアスペース、リテール&エキシビジョンデザイン賞のブロンズを受賞しました。この賞は、芸術、科学、デザイン、技術のベストプラクティスを取り入れ、強固な技術力と創造力を持つ、優れたデザインに授与されます。
ブレンダン・チャンの「Thinker」プロジェクトは、小さなスペースに多機能性を持たせ、子供たちが自分たちのアイデアを形にする喜びを体験できる場を創り出すことで、新たな図書館の可能性を示しています。
プロジェクトデザイナー: Brendan Cheung
画像クレジット: Brendan Cheung
プロジェクトチームのメンバー: Brendan Cheung
プロジェクト名: Treasure
プロジェクトのクライアント: Bi Concept Design Limited